ささささの日記

日本海海戦より二百三高地派

わかりにくい広告

電車の中吊りを見ていると、鉄道会社が実施するキャンペーン施策の告知広告をよく目にする。

しかしながら、大抵の場合情報が多すぎてなんのこっちゃわからないことが多い。
一瞬でどんな施策なのかが理解できない。グッと頭の回転数を上げて文章を読み込まないと理解できない。そんな広告は、100歩譲って活字媒体である新聞とかに出すならわかるけど、一瞬で目を引かなければいけない中吊り広告には不適中の不適である。

たとえば東西線で見つけたこの広告。

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「"早起き"でメダルを集めて…」
メダル?メダルってなんでしょうか?
"早起き"とはいつからいつぞや?
オリジナルクーポンとはどういうメリットのあるものぞ?

説明を多くしろ、というのではない。
生活者にとってのベネフィットが一瞬で理解できない。そこが問題なのである。

つまり、「受け手」視点の発想が出来ていない。
こういった広告の制作の仕方はとても単純である。キャンペーンの内容を原稿にして、中吊りの形に合わせてレイアウトし、背景デザインを整える。あとはクライアントと出し戻しして細かい部分を微修正する。それだけ。でもそれは「送り手」視点に過ぎない。根本的なところを違えている。

こういう制作の仕方であっても、クライアントと広告制作者は原稿修正などの出し戻しで結構大変な思いをするから、「頑張って作った価値ある広告」だと勘違いする。でも、根本的なところを違えているかららそんなことをいくらやったところで何の意味ない。

大切なのは「生活者が一瞬でベネフィットを感じれるか」なのであって、それが全てである。クライアントが入れたい情報も、広告制作者が出したいデザインも、そこでぶつかるところには1ミリの価値もない。作り方のポイントがズレると、どんどんどんどん無駄な作業が増えていくだけなのである。

肝をおさえた広告を作るために、肝に銘じよう。